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Image by Olga Tutunaru

SPECIAL

SPECIAL Interview

No Guarantee web magazine(2024.9)

MIRAIインタビュー vol.2

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MIRAI STORY

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1月3日、マスク姿で登場し、正式参戦。

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DDM=ドンナ・デル・モンドのユニット入り

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Mirai

スターダムへの移籍

2021年9月に契約終了。「8月末で契約終了と発表すると言われてたんですけど、実際は9月末。自分より前に東京女子を抜けた人達がすぐ他のリングに上がってしまったせいなのか、3カ月間は他のリングに上がらないでくださいという縛りもありました。今までお世話になった団体だし、揉めたくもないので、了承しました」。

スターダムへの正式参戦は2022年1月3日。
「東京女子退団から4カ月弱の期間の中で、甲田さん(東京女子代表)に会う機会がありましたが、“最近どうですか?この後、決まってるんですか?”と心配してくださっていました」。

スターダムはユニット制を敷いていて、どこかのユニットに所属することになる。「試合も何度か見に行ってました。小川さんと話したときに、どの選手が印象に残ってる?とか、どのユニットがかっこ良かった?とか聞かれました(笑)」。

DDMに所属することになり、リングネームもMIRAIと改められた。「変えた方がいいかなとは思ってました。DDMのリングネームは名前だけ。それを破ったのが桜井まい。前のリングネームが読めなさすぎたので、誰でも読めるものに。小川さんは、“変えるの?変えなくてもいいんじゃない?”と。小川さんはキラキラネームっぽいの好きじゃないですか(笑)」。

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スターダム正式参戦1年目でシンデレラ・トーナメント優勝

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史上2人目のシンデレラ・トーナメント2連覇を達成

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Mirai

飛躍の年

1月3日に正式発表、1月8日に朱里が持つ赤いベルトに挑戦を表明。29日にタイトル戦。「その赤いベルト戦があって。それでいろんなものが変わった気がします。自分の中でも、この中で輝きたいという気持ちも強くなったし。自分が挑戦表明して。急に来て、急に挑戦。ナメとんのか、しかも相手は朱里だぞ、となる。そういう意見。まあ、見とけって気持ちを持ちつつ、しょっぱい試合したらヤバいという自分もいつつ。でもいい方に行けた。朱里さんにも感謝してます。見られ方も変わったと思うし。この試合は自分にとってエポックな気がします。あと両国での林下詩美戦(2022年3月27日)。自分はギブアップしたくない意地っ張りレスラーなので。ギブアップで負けちゃって、限界越えれてないとなってるとき、自分に負けてるな。ちょうどその時に、朱里さんが、“ゴッズアイは自分の限界を超えていくユニットだ”と言っていて。これだ!と思ってゴッズアイに入った。それ1回しか林下詩美とシングルできてなくて。5STARの時に組まれてたんですけど。当日、詩美さんが首を痛めて欠場になってリベンジ叶わず」

スターダムの印象は「自分のやりたいことができそうだなと思いました。いろんなところに刺激が転がっている。闘いの面でも、みんな、上を目指してる。闘いの場だなと言う感じでした」。大所帯となり、生き残るだけでも競争が激しく、上に行こうとするとさらに厳しいのがスターダムだった。その中で、正式参戦1年目にして、シンデレラ・トーナメント優勝。「それまで、結果を出せたことがなかったので。プロレス以外でも、柔道でも3位止まりとかだったので。優勝ですよ!!となりました。自分でも本当にびっくり。ずっと、あとちょっとだったのに。また負けた〜ってことばかりだったので。こっち(マリーゴールド)にきてもそうなんですけど。一番の課題は自分なりの『強さ』の魅せ方だと思っています」。さらに翌年も優勝し、史上2人目の2連覇を達成。決勝の相手は奇しくも桜井まいだった。

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会見時も仲の良さを見せていたMIRAIと桜井

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ユニット移動時、バックステージで袂を分つ桜井と握手

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Mirai

桜井麻衣とのストーリー

「DDMを抜けて、強くなって、いろいろ経ての自分と桜井麻衣のストーリー的にも、とても嬉しかったです。“決勝で会いたい、そしたら凄く夢ありますよね”と何気ない日常で、話してたので、それが叶った。桜井麻衣は、自分にとってレアキャラなんです。自分は学生の時から、誰かと特別すごい仲良くというのがほぼなくって。なんかあったら話すけど、いい距離感。だけど、桜井麻衣は、レアキャラでした。仲良しという感じ。年齢は上だけど違和感はないし。嫌な方の貴婦人じゃないし(笑)。ときどき貴婦人出るけど、とても面白い。真逆の生活をしてたし。プロレスやってなかったら出会わなかっただろうし。趣味も違うし。だけど、なんとなく、これ違うんじゃない?と感じるところは一緒。だから、お互い嫌な気持ちになることが、無いという感じでした。

 

プロレスは長く見てれば見てるほどストーリーが繋がっていく大河物語でもある。このインタビュー中、何度も「ストーリー」というワードが出てきた。もともとがプロレス・ファンでもあるMIRAIは、そのプロレスの本質を大切にしていることがわかる発言だった。

桜井麻衣との決勝は、「話してたことが実現したわけで、本当に嬉しかった。あとは、ここで魅せなきゃという気持ちが強かった。バチバチというかガンガンやった。終盤の方でエルボー合戦して、連打されて、自分がグニャっとなってたんですよ。桜井麻衣が起こして120%ビンタ打ってやろうと思ったらしいんですよ。でも起こしたら、MIRAI、赤ちゃんみたいな顔をしてたらしくて。それで、ちょっとだけ弱くなっちゃったらしいんです(笑)。その時、その顔してなかったら、桜井麻衣に負けてた可能性だってありますよね…!」。
シンデレラ・トーナメントは小川氏曰く「次のスターを生み出すためのもの」。その言葉通り、その後、MIRAIはゴッデス・オブ・スターダム王座に就いてプロレス初戴冠。「最初のベルトはリングアウト勝ちで、とても不甲斐なかった。ベルトだ!という気持ちと、ずっとタイトルマッチをやってきて、勝てなくて、やっと手にしたベルトはリングアウト勝ち、、、という気持ち。ベルトを貰ってる時の表情から伝わると思います」。そして、中野たむを破りワンダー・オブ・スターダム王座にも就いた。「今でも言われるんですけど、当時、たむさんは、白赤2本ベルトを持っていて。あの時に両方と言ってたら両方取れたのに〜!(笑)。たむさんとジュリアさんの髪切りマッチも見に行っていて。二人ともマジすごいなと思って。そこから、ずっとたむさんは白のイメージが強い。そんなたむさんから勝って白いベルトを巻いて、感慨深い感じ。あの中野たむから取ったんだ。白いベルトをどう自分色にするか、考えすぎて余裕はなかった気がします。でも自分はマイクも下手だし、メインでの防衛戦はなかった。とても悔しい、、、。ベルトって会社管理なんですけど、自分は持ったら、家に持ち帰ってずっとベルトと過ごしてました。よく言うじゃないですか。ベルトを落とすとキャリーが軽くなる。モロに実感しました」。
2024年1月には、アーティスト・オブ・スターダム王座も獲得。順調に実績を積んでいった。

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中野たむを破りワンダー王者となった

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壮麗亜美とのコンビでゴッデス王者に

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朱里、壮麗とアーティスト王座獲得       

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両国国技館で敗れたMIRAIを桜井が支えた

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青野と3度時間切れ引き分け

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Mirai

新団体マリーゴールドへの移籍

2024年4月、ロッシー小川氏が立ち上げるマリーゴールドの旗揚げに参戦することが発表された。
「あるらしいですよという話は聞こえてきていて。本当にそうなったらMIRAIどうするの?と聞かれたんですけど、そのときは信じてなかったので、どうするんですかね〜って感じでした。噂的に信憑性が高くなってきて。自分は小川さんのところでという気持ちがあったので。作るなら、そっちに、という感じでした。恩もあるし、ずっと女子プロレスをやってきてる方なので、プロレスのことに関して、信頼がある。日常生活は、お家は散らかってるし、運転は荒いけど…(笑)。でも、噂だけであって、直接話はしてなくて。その後しっかりお話しをする機会を設けて、もうその場で、小川さんについて行くことを伝えました。
契約として、辞める時はこの期間までに伝えるというのがあったので。言っとかないとまずいですよね。ゴタゴタして抜けたくないので。その時に伝えておいてよかったです。会社からの発表はギリギリでとても遅かったので、なんとなく、コメントでもそれっぽい事を言ってました(笑)。赤いベルトも取ってない。ずって見ていたIWGPという名のつくベルトにも挑戦すらしてない。けど、決めたら揺るがないのがMIRAIなので」
5月20日に旗揚げ、ベルトも新設され、MIRAIは“純白のベルト”ユナテッド・ナショナル王座の決定トーナメントにエントリーされた。青野未来と争った対戦が3度の時間切れ引き分け。決勝当日まで決着がついていない前代未聞の出来事だった。「もちろん悔しいという気持ちはありますけど。マリーゴールドに来なかったら出会えてない青野未来。結果だけ見れば、たくさん引き分けて負けた。でも、ずっと交わっていく人だと思うので。後々、ストーリーとして、ああいうことがあったけどという、まだ、ただの一部分だと思ってます。青野未来は、蹴りが痛え。華のある絵になる選手。自分は小川さんに、華がない、地味だといつも言われます…(笑)。何をやっても映える選手だなと思ってます。あと、いいのか悪いのか、その人の感じ方だと思うんだけど。蹴りの選手なのか、パワーの選手なのか、全部できるのはすごいなと思うけど、蹴りがすごいので、もっと蹴りに振っちゃってもいいのかなと。自分が思ってるだけかもしれないけど。でも、周りを巻き込む力は負けてないと思ってます。というか負けたくない。最近は、欲しがりとか言われます。巻き込んでナンボだと思うので」。
そして7月、タッグのベルト、ツインスター王座の初代王者決定トーナメントに桜井麻衣と組んで優勝した。「何よりも、桜井麻衣とタッグのベルトを取ったというのが大きくて。スターダムに来て出会って。ストーリーを知ってる人からは、エモエモのエモ。今は組んでベルト持ってますけど。組んでもいいし、闘ってもいい相手。この二人って組んでも闘ってもいいよね。その試合だけでも、今日来てよかったねと言われるようにしたい。日常的にも仲良くさせていただいてますし、ベルトを持って、リング上でも一緒にいることが多い。だけど、いざ対角に立った時も、バチバチのボコボコにできる。そういう二人にもっともっとなっていけたらいいですね」。桜井麻衣は、ライバル?との問いには「ライバルって言葉、難しいですね。曖昧で難しい。青野未来もライバル。林下詩美もライバルだと思いたい。桜井麻衣ももちろんライバルです」。

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林下にギブアップ負けの雪辱を果たした(2024.9.16)

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SPECIAL Interview

Mirai

ヒーローになりたい

2024年6月30日から生まれ故郷の岩手県宮古市の観光親善大使に就任した。マリーゴールドが宮古大会開催を決めた後、MIRAIは独自にマリーゴールドの興行の宣伝営業や、子ども向けのプロレス教室を開催した。この宮古大会はMIRAIにとっては悲願の大会でもあった。

「いつか、自分に憧れてプロレスに入ってきましたという人が来てくれたら嬉しい。キラキラでもゴツゴツでもなんでもいいんですけど。異空間、非日常、おーっていう刺激を与えられる、何かを感じてほしい、自分の闘いから。引退する時は、なんで?えー?で終わりたい。動けるうちに終わりたい。MIRAI、あの時強かったねとか,あの時は、あの技やってたよね、今はできないけど、みたいな感じは、イヤ。かっこいいまま終わりたい。ちびっこのヒーローになって。いつか、その子がプロレス目指してくれたら、めちゃくちゃ嬉しい。みんなのヒーロー、その中でも、ちびっ子のヒーロー。宮古を他地域にもっと広めたいし。宮古ではプロレスをもっと広めたい。架け橋みたいな感じになりたい。プロレス教室はいろんなところでやりたいです」。

 

ちなみに、お兄ちゃんを投げ飛ばすことはできたんですかと聞くと「MIRAIが技とか覚えて、投げれるようになった時は、お兄ちゃんはもう柔道やってなかった。だから、やり返してないんです。今だったら、ヒョイですよ。片手でポイって!MIRAIん家の男どもはヒョロヒョロなんで(笑)」。

(取材・撮影=山川隆一)

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ライバルと思いたい林下詩美と

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桜井と初代ツインスター王者に

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